ミャンマー学習帳

もうすぐミャンマーにお引越しするので、かの国の気になるところをちまちまとお勉強中。

映画"The Lady"

今日は読んで書いてばかりの一日(ミャンマー関係なし)だったので、夜は気楽に映画鑑賞。

The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛 [DVD]

The Lady(日本語だとサブタイトルで「アウンサンスーチー ひき裂かれた愛」とついている)。
製作国であるフランスとイギリスでは2011年末に既に公開されていたようですが、ようやく観ることができました。

主演はミシェル・ヨー(Michelle Yeoh)。
香港映画に出ていたので、てっきり香港人かと思っていたら、イポー出身の中華系マレーシア人なんですね。確かに、香港人ならYeohさんじゃなくYeungさんになるのかな。
元ミス・マレーシアで、政府からDatuk Seriの称号ももらっているとのこと(マレーシアは称号の種類がかなり多い社会。日本でいう勲章・褒章的な感じかもですが、地元紙ではこの称号込みで名前が書かれているところからして、日常生活での重要度はどうやらこちらの方が上らしい)。
http://homepage3.nifty.com/kiara/mikiko/000705.htm

ところでそんなミシェル・ヨーさんの近況をちらりと見てみたら、先日の総選挙でナジブ現首相への支持を表明したところ、与党連合の政権運営に反発するネチズンから売国奴だの政府の操り人形だの散々に罵られている模様。マレーシアも結構このあたりの話は大変ですね…。
http://www.channelnewsasia.com/news/entertainment/michelle-yeoh-defends-decision-to-suppor/645884.html

閑話休題。

The Lady、結構ミャンマー語で喋る場面も多いので、何でミャンマー人を使わなかったのかなーと若干思いましたが、メイキングによると、そもそもミシェル・ヨーリュック・ベッソン監督に企画を持ち込んで実現した映画らしいです。なるほど。

内容は実話ベースなので、当然ながら大体予想通り。
アウンサンスーチー氏とその家族の個人的なストーリーに相当焦点が当たっているので、背景知識がないとやや全体像が分かりづらいかな? という印象でした。
夫婦愛のストーリーが多いからこそ、誰でも気楽に観やすいという側面もありますが。
題材があまりに強烈なので、多少政治的背景が分からなかろうと何だろうと感動的ではありますし。

そのイマイチ分かりにくい政治的な動きの一つに、日本政府の働きかけで自宅軟禁からの一度目の解放が実現、というシーンが。
いきなり日本語がかすかに聞こえてきたかと思ったら、日の丸のついた車が登場、さらに大きな日の丸を傍らに交渉する外交官が出現。
唐突に、激しく日本クローズアップ。ここだけですが。

さりげに有名コメディアンのZarganarさん(元政治犯)が出てきたり、と、ミャンマー社会が分かってくると更に楽しめそうなポイントもありそうなので、そのうちまた観たいと思います。
しかし規制緩和が進みつつあるとはいえ、このDVD、持って行けるのかな…。
一応、現地でも流行ったそうですが(ほぼ視聴不能なクオリティの海賊版DVDだそうですが)。
http://www.guardian.co.uk/world/2012/feb/02/the-lady-underground-hit-burma

アウンサンスーチー氏ご自身は「勇気が十分出たら観ます」と語っていたそうですが、その後ご覧になったのかしら。(お、Telegraphもビルマ派ですね)
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/asia/burmamyanmar/8876308/Aung-San-Suu-Kyi-admits-she-does-not-have-courage-to-watch-film-of-her-life.html

ところで私はこの映画、イギリス版のDVDで観たのですが、特典映像としてメイキングに加えてこの動画が収録されてました。
よくある、独裁国家に潜入取材! 変なとこいっぱい撮影してきたぞ★ 的な企画のようです。
あーほんとちょっと前までミャンマーってこういう感じだったはずだよねぇ、という感じでしたが、軍事政権流Eラーニングはこれ、さすがにちょっと予想の斜め上……すいません、笑いました………。


(1/3) Happy World: Burma, the dictatorship of the ...