ミャンマー学習帳

もうすぐミャンマーにお引越しするので、かの国の気になるところをちまちまとお勉強中。

検索エンジンに引っかからない大使館サイト

すっかり間が空きまくってしまいました。最近、本業多忙化、運転免許取得に向けた集中練習(どうせミャンマーでは運転しない気がしますが)、通訳学校のトリプルパンチで、ミャンマーの勉強にまで気が回らず、転勤に向けた事務手続きを進める程度の日々です。
中身のある勉強は本業が落ち着く6月半ば頃から再開しようかと(今までもほとんどしてませんが…)

さて、私は現在ロンドン在住なのですが、先日初めて当地のミャンマー大使館に行ってきました。
Mayfairの素敵っぽいエリアにある普通っぽい大使館なのですが、ちょっとびっくりしたのが、検索すると大使館の偽(?)ウェブサイトが大量に出てくるということ。
検索エンジンで「Myanmar (あるいはBurma) Embassy UK (あるいはLondon)」などのワードで検索していただくと、明らかに怪しいもの、もしかするとオフィシャルかもしれないもの…たくさん出てきます。
よく分からないので取り敢えず直接大使館に行ってみたのですが、「あの~この大使館のウェブサイトってあります?」と聞いたところ、掲示板に以下のURLが紙に書いて貼ってありました(^_^;) 
http://www.myanmarembassylondon.com/
(音声が出るのでご注意ください)

このサイト、私のGoogleアカウントでは、検索結果の1ページ目には少なくとも出てこなかったという…。
領事部の壁に紙で貼っとくなんてローテクな広報じゃなくて、ちゃんと検索エンジン対策して~。謎の偽サイトが先に出てきますよ~。とツッコみたくなりました。
そのうち仲良くなったら、そのへんどう思ってるのか聞いてみようかしら。。。

ミャンマー携帯事情

また今日も生活事情メモ…。

ロンドンで使っている携帯を紛失してしまい、今日は夕方からバタバタしょんぼりでした。
私が使っていたのはiPhone5だったので、どのみちミャンマーに持って行っても、電話機能なしのwifi専用機と化していた気がしますが……。

ミャンマーの携帯電話サービスはかなり残念かつ高額だと聞きますが、最近は政府も力を入れて変えつつあるようですね。
一応3Gはあったりとか、これまでと比べれば破格と言っていい安価なSIMカードを出したりとか。

とはいえ変化が急激すぎて実態がどれだけ追いついているかいまいち不明なので、取り敢えずは元々持っているノキアの大昔の携帯(一度充電すれば2週間持つ。ある意味この手のシンプルフォンは最強だと今も思う)とiPod touchを装備して入国して、案外ちょっと前のiPhoneくらいなら気持ちよく使えちゃう気配なら、追々シンガポールあたりで機体を入手してこようかなぁ、なんて思っています。

しかしiPhoneなくしてみて初めて実感しましたが、結構私クラウドサービスに頼ってる部分が大きいようです。個人的に痛いなぁと思ったことの一つが、英辞郎からevernoteにメールで単語や表現を送る、という操作が携帯からできなくなること。
私はevernoteで英単語帳を作っているので、移動中などにぽけーっとモノを読んでいるときに、記憶の怪しい単語や表現を英辞郎で調べては片っ端からぽいぽいメールでevernoteに放り込めるのは至極便利だったのです。
放り込んだ単語は、everwordっていう単語帳アプリですぐ確認できたし。

あと、カレンダーやタスクリストも、googleカレンダーとwunderlistという複数デバイス間での同期を前提としたサービスを使っているのですが、こういうものはツールが変わってしまうと、それだけで一気に使いづらくなってしまうのですよね。
PC開かないと見れないとなると、ちょいと敷居が高い…。

しかしインターネットが遅い&必ずしもいつもつながらない可能性大な国だと、PC開かないと見れないどころの騒ぎじゃなくて、PC間での同期すら怪しいわけですよね。
私はPCとMac両方使っているのですが、両機間で同期できないだけでめちゃくちゃイライラしている自分の姿が目に浮かぶ…。
途上国や不便さへの耐性は日本人としては比較的強い方だと思いますが、インターネットが遅いのだけは割と我慢できないのです…。
使わずに済むならそれはそれでいいのですが。

これを機に、極力ネットを使わずにできるよう、諸々のワークフローを再構成しておいた方がいいかもしれないですね。
んー、めんどくさい。
でもこれミャンマー行ってからやったら、ネットが遅すぎて情報仕入れづらくて、きっともっとめんどくさい…。
がんばろう……。

明日こそはもうちょっと中身のある話を書きたい………。

右側通行、右ハンドルの国

また生活事情についてですが、簡単にメモだけ。

ミャンマーには日本メーカーの中古車が非常に多いです。
これは今のミャンマーと日本の接点の一つとして、ミャンマーを訪れた日本人には最も目に入りやすいポイントの一つらしく、日本メディアのミャンマー紹介記事でもよく触れられていますね。
私は車に無頓着なので、最初このことに気付かなかったのですが、確かに去年ミャンマーに遊びに行ったときのツアーガイドのおじさんの車は、80年代の終わりに我が家にあったのと似たようなレトロなカローラ。
「最近綺麗な車が街に増えたんだよー、大体日本車だよー」とおじさん嬉しそうに語ってました(ちょうど輸入が一気に増えた頃だったのですね)。

そんな風に言われると、日本人としてはうっかり嬉しくなっちゃうわけですが、実はこの国、右側通行。
街を走る日本車は右ハンドル。
なかなかに違和感がありますが、やっぱり世界的にも珍しいようです。ウィキペディアによれば、他にロシア東部、モンゴル、北朝鮮、アフガニスタン等で起きている現象だとか。

ミャンマーは元英領なので日本と同じ左側通行だったそうですが、植民地時代のカラー払拭の一環だか、占い師による助言の結果だか何だかで、右側通行になったようです。
まあ日本でも左ハンドルの外車を運転している人だっているわけで、慣れればさして実害はないのかしら…と思ったのですが、乗合バスなどは乗降口があらぬ向き(降りればそこは対向車線)についているので危険で不便だとか。
車体の右側をくりぬいて新たに乗降口を作ったり、運転席を左に移したりして対応しているケースもあるようです。

それでも敢えて今でも日本車を輸入し続けるのはなぜなのか。
もっと言えば、何で左ハンドルの韓国車を輸入しないんだろう、と最近疑問に思っていたのです(韓国は右側通行の国)。
そこは親日国ですから☆ という意見もあるかもしれませんが、おそらく何かしら経済合理性のある説明もできるのだろうな、と…。
日本車の品質に対する定評や、メンテナンスにかかるコストまで考えると総合的にお買い得、といった事情もありそうですが、韓国の中古車市場へのアクセスが難しいのかなー、とか、おそらく輸送費が最も安く済むであろう近隣国の一つ・タイ(左側通行)の中古車市場から輸入すると日本車主体(タイも日本車のシェアが圧倒的に高い)ということになるのかなー、とか勝手に予測してました。

そんな疑問をちょっとだけ解消してくれたのが、こちらの記事(だいぶ前のものですが)。
http://www.ajmmc.org/2012/03/post-436.html
やはり乗合バスについては、左ハンドルの韓国車への切り替えが起きているとのこと。
うん、そりゃそうなるでしょうねぇ。

今後この件、どう変わっていくんでしょう。
ミャンマーが右側通行を採用したのは、1970年とのこと。もう随分前のことです。
その中を右ハンドルの日本車が走っているのも、今に始まった話ではない模様。
そうなると一般の人はきっと右ハンドル右側通行での運転にすっかり慣れているでしょうから、バス以外で左ハンドル車の人気が上がるということはそんなにないんじゃないかな、というのが私の勝手な予測です。
仕事などで訪れる外国人が増えるに従い、外国人の間で左ハンドル車の需要が高まるということはありそうですが。
(私もおそらく左ハンドル車に乗ることになるようです。自分で運転することはあまりなさそうな気がしますが)

ヤンゴン住宅事情入門

今日は、勤務先のミャンマー支店から色々生活情報を送ってもらい、ちまちま読んでいました。
実は去年の5月に一度旅行でミャンマーに行っており、当時の状況は一応チラ見しているので、大体予想通りではありました。
やっぱり住むとなると色々厳しいところもありそうだなぁ、という印象ですが、そのあたりはできるだけ実際に見聞きしてから書きたいと思います。

しかし、今日はあまり中身のあることをやる暇もないので、ヤンゴンの外国人向けサービスアパートメント事情について少しだけメモ。

勤務先の資料に紹介されていたのは、「マリーナレジデンス」と「ゴールデンヒルタワー」の2つ。

マリーナレジデンスさんは、元々日系資本だったらしく、公式ホームページにも一応"Japanese"の文字がありました(押してもほとんど英語のままですが)。
http://www.marinaresidenceyangon.com/
おぉ、インヤ・レイク沿い…。昨日観たThe Ladyを思い出して若干悲しくなりますが(スーチーさんちもこの湖沿いにある)、美しい。水のある風景はいいですね。ヤンゴン川よりはこっちの湖の方が風情もありますし。
んーでも、雨季は大丈夫なのかしら、これ。まあいっぱい日本人住んでるみたいだし、大丈夫なんでしょう、きっと…。
日本人会も中に入居しているとのこと。本とか借りたい時に便利かもですね。
L'Opera(イタリアンレストラン。旅行した時に本店に行ったけど、普通に美味しかった)の支店も入っているそうなので、うっかりごはん食いっぱぐれても安心、かも。。。

ゴールデンヒルタワーさんはこちら。
http://www.goldenhilltower.com/
ここも設備良いですねぇ。うん、サービスアパートメントって普通こういう感じですよね。
(超余談ですが、私のサービスアパートメント居住経験は、クアラルンプールの渋谷的なところの駅前にあった「(自称)サービスアパートメント」のみ。管理担当のおじさんが時々洗濯とお掃除をしてくれただけの、普通のショップハウスの2階。月600米ドル。KL的には相当高いものの、他の普通のサービスアパートメントよりは当然めちゃくちゃ安かった)
YKKのグループ会社が経営しているそう。
http://www.ykk.co.jp/japanese/ykk/letter/0609_myanmar.html
ところで家そのものとは関係ないけど、この会社の方が書いていらっしゃるミャンマー寸評的なものが面白かったので、メモ(2005年の情報ですが)。ミャンマーでもセパタクローやるのね~。
http://www.ykk.co.jp/japanese/ykk/travel/0511_yangon.html

その他、以下の記事によると、ミカサホテルというところも日本人に人気のようです。
http://www.caplogue.com/archives/7409294.html
名前からしてここも日系かと思いきや、三笠ではなく"Mi Casa"(スペイン語で「私の家」)だそうです。笑

どこも家賃はだいぶすごいことになっちゃっているようです。先の記事によれば、ワンベッドルームでも月4000米ドルとかいったレベル…。
東京、シンガポール、ロンドン、と最近家賃の高い街ばかりに住んできたのですが、これはダントツ…かな?
ま、サービスアパートメントですもんね。他の街で私が住んできた、普通の物件と比べちゃいかん。
といっても、やっぱり高い。もう、明らかな需要過多ですからね……。

前任がいないため、引き継がせてもらうというオプションもないので、おそらく選択の余地なく、空いたところを確保するしかない気がしています。
まあ、ここに挙げたところや、それに類するようなところなら御の字なのですが…。一体いくら家賃補助出るんだろう……。
空きが出るまではホテル住まいになるのでしょうが、ホテルも最近は随分需要過多らしいので、そもそも取れるのかという不安が。
ま、現時点ではagodaでも選びたい放題なので、しばらくは大丈夫でしょうが、これは早く赴任日を確定させて押さえてもらわないとまずいかも…。

うーん、住むところの確保、しばらく重要になりそうな予感です。

映画"The Lady"

今日は読んで書いてばかりの一日(ミャンマー関係なし)だったので、夜は気楽に映画鑑賞。

The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛 [DVD]

The Lady(日本語だとサブタイトルで「アウンサンスーチー ひき裂かれた愛」とついている)。
製作国であるフランスとイギリスでは2011年末に既に公開されていたようですが、ようやく観ることができました。

主演はミシェル・ヨー(Michelle Yeoh)。
香港映画に出ていたので、てっきり香港人かと思っていたら、イポー出身の中華系マレーシア人なんですね。確かに、香港人ならYeohさんじゃなくYeungさんになるのかな。
元ミス・マレーシアで、政府からDatuk Seriの称号ももらっているとのこと(マレーシアは称号の種類がかなり多い社会。日本でいう勲章・褒章的な感じかもですが、地元紙ではこの称号込みで名前が書かれているところからして、日常生活での重要度はどうやらこちらの方が上らしい)。
http://homepage3.nifty.com/kiara/mikiko/000705.htm

ところでそんなミシェル・ヨーさんの近況をちらりと見てみたら、先日の総選挙でナジブ現首相への支持を表明したところ、与党連合の政権運営に反発するネチズンから売国奴だの政府の操り人形だの散々に罵られている模様。マレーシアも結構このあたりの話は大変ですね…。
http://www.channelnewsasia.com/news/entertainment/michelle-yeoh-defends-decision-to-suppor/645884.html

閑話休題。

The Lady、結構ミャンマー語で喋る場面も多いので、何でミャンマー人を使わなかったのかなーと若干思いましたが、メイキングによると、そもそもミシェル・ヨーリュック・ベッソン監督に企画を持ち込んで実現した映画らしいです。なるほど。

内容は実話ベースなので、当然ながら大体予想通り。
アウンサンスーチー氏とその家族の個人的なストーリーに相当焦点が当たっているので、背景知識がないとやや全体像が分かりづらいかな? という印象でした。
夫婦愛のストーリーが多いからこそ、誰でも気楽に観やすいという側面もありますが。
題材があまりに強烈なので、多少政治的背景が分からなかろうと何だろうと感動的ではありますし。

そのイマイチ分かりにくい政治的な動きの一つに、日本政府の働きかけで自宅軟禁からの一度目の解放が実現、というシーンが。
いきなり日本語がかすかに聞こえてきたかと思ったら、日の丸のついた車が登場、さらに大きな日の丸を傍らに交渉する外交官が出現。
唐突に、激しく日本クローズアップ。ここだけですが。

さりげに有名コメディアンのZarganarさん(元政治犯)が出てきたり、と、ミャンマー社会が分かってくると更に楽しめそうなポイントもありそうなので、そのうちまた観たいと思います。
しかし規制緩和が進みつつあるとはいえ、このDVD、持って行けるのかな…。
一応、現地でも流行ったそうですが(ほぼ視聴不能なクオリティの海賊版DVDだそうですが)。
http://www.guardian.co.uk/world/2012/feb/02/the-lady-underground-hit-burma

アウンサンスーチー氏ご自身は「勇気が十分出たら観ます」と語っていたそうですが、その後ご覧になったのかしら。(お、Telegraphもビルマ派ですね)
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/asia/burmamyanmar/8876308/Aung-San-Suu-Kyi-admits-she-does-not-have-courage-to-watch-film-of-her-life.html

ところで私はこの映画、イギリス版のDVDで観たのですが、特典映像としてメイキングに加えてこの動画が収録されてました。
よくある、独裁国家に潜入取材! 変なとこいっぱい撮影してきたぞ★ 的な企画のようです。
あーほんとちょっと前までミャンマーってこういう感じだったはずだよねぇ、という感じでしたが、軍事政権流Eラーニングはこれ、さすがにちょっと予想の斜め上……すいません、笑いました………。


(1/3) Happy World: Burma, the dictatorship of the ...

ジョージ・オーウェル「絞首刑」

こないだ英Guardian紙が、こんなリーディングリストを出していました。

http://www.guardian.co.uk/books/2013/may/08/rory-maclean-top-10-books-burma?INTCMP=SRCH

「ビルマについての必読書Top10」、トラベルライターのRory MacLeanさんのセレクトだそう。

どれどれ、と見てみたところ、一冊目に載っているのがジョージ・オーウェルGeorge Orwell)の「絞首刑(A Hanging)」。

動物農場 (角川文庫)

↑ 短編なので、大体他の著作とまとめられて出版されている模様。これとか。

おぉ…タイトルからして何かすごいハードなのから来たね……。

おすすめの理由を見てみると、

「トップバッターは20世紀の傑作寓話二作を残したオーウェルで決まり。5年に渡るビルマ生活が、抑圧された者たちの苦しみに彼を同調させたんだから、もう尚更。『ビルマの日々(Burmese Days)』っていう作品もあるけど、短編『絞首刑』の方がより感動的かな。絞首台に向けて歩く途中で水たまりをよける死刑囚を彼が見ている、っていう作品なんだけどね…。そのほんの一瞬のところで、オーウェルは人命の尊さと権力の冷酷さとを際立たせるわけ」

とのこと。

へぇ、1984で有名なオーウェルさん、ビルマに住んでたのですね。

ちらりと彼の略歴を見たところ、ベンガル生まれのイングランド育ち、イートン校卒業後に警察官としてビルマに駐在(1922-27年)。
帝国主義がすっかり厭になって退職、その後はパリやロンドンを放浪したり、スペイン内戦に参加したり、BBCで働いてみたりなんだりしつつ文筆活動を行っていた、てな感じの方のようです。動物農場や1984は亡くなる直前の作品だとか。

うーんイギリス人的にはこれがぐっとくるセレクションなんだろうか…我が国文豪の原体験、的な側面から来るとは(Roryさんカナダ人らしいけど)…なんて思いつつ、iBooksで英語版をタダで入手できたので(無料サンプルの中に全文含まれてた。そんなんでいいのかねAppleさん)、取り敢えず読んでみました。

まあ解説そのままのお話でした。
舞台はビルマ某所の刑務所。
罪状不明なるも死刑囚となってしまったヒンドゥー教徒の小さな弱々しい男を、現地人とヨーロッパ人の混成部隊で朝っぱらから絞首刑に処す、その一部始終。
主人公(オーウェル)は水たまりのところで、自分たちのやっていることの言葉にできないほどの正しくなさにハッとするものの、もちろん執行を止めることなどなく、仕事が終わった後は一種異様なテンションで他の職員と談笑、という何ともリアルな展開。

ちょっと面白いのは、刑務所職員たちの人種構成。
ドラヴィダ人(=南インド~北スリランカあたりにお住まいの種族。ところでなぜかこの人の英語は、sがたびたびssになっている。彼らがそんな訛り方なのか、この小役人限定なのか)、ユーラシア人(=ヨーロッパ人とアジア人の混血の人の総称)、さらにはビルマ人も登場。
死刑囚もヒンドゥー教徒だし、予想以上にインド帝国の一部になっている感じが強いのでした。
ビルマが完全にインド帝国の一部となったのは1886年。
それから30数年後の状況を描いていると考えると…これは役人たちの構成に限った話なのか、街中もそんな感じになっていたのか…興味深いところ。
イギリスのインド支配の歴史とその今に至るまでのインパクト、というのは地味に関心のあるテーマだったのですが、ちょっときちんと追ってみたいものです。

風景描写は砂利が黄色い(yellow gravel)ことくらい。ふーん。。。

そんなこんな、なかなか面白いし印象的ではあったのですが。。。いきなり何かコアなところから攻めてる気がしてならないので、取り敢えずこのリーディングリストは放っておいて、明日は今更ながらThe Ladyでも観ようかと思います。

ミャンマー? ビルマ? の今

ミャンマーと言えば、必ず付きまとう地名の呼称問題。
こんな場末の学習ブログ一つ作るにも、ミャンマーと呼ぶべきかビルマと呼ぶべきか、はたまたいちいち両方併記するのがよいか、なんて迷ってしまう、非常に政治色の強いお話です。

この国の現在の英語での正式名称は、Republic of the Union of Myanmar。日本語での正式名称はその直訳であるミャンマー連邦共和国、とされています。
しかし今でもこの国を頑なにビルマ(Burma)と呼び続ける層が確実に存在します。

事の発端は1989年、軍事政権がビルマからミャンマーに英語での国名を変更したところに遡ります。
ビルマという英語呼称は、イギリスがこの地域に絡んできた19世紀半ばから使われてきたそうですが、植民地時代の負の遺産を排除すべし、ということで変更されたのだそう。
(同じ理由でこの時、他の地名もざくざく変わっています。旧首都ラングーンヤンゴンに、近年仏教徒とイスラム教徒の衝突激化で話題になることの多いアラカンはヤカインになるなど。イラワジ川→エーヤワディー川への変更も多分このタイミング?)

また、ビルマという名前はビルマ(バマー)族(ミャンマー人全体の7割を占める)を指すので、他の民族の手前よろしくない、という理由付けもされたようです。
どうやらこれはこじつけ(?)で、ミャンマーという語もビルマ族を指すらしいのですが。

そうした理由の是非はさておくとしても、そもそも手続き的な話として、
正統性なく国を支配している軍事独裁政権が勝手に国名変えちゃうとかありえない! 国民を無視して新しい国を作ってしまおうとしていることの象徴だ! とアウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)をはじめとする野党や民主化活動家等は猛反発。
これを支持する欧米諸国等も含め、「ビルマ」を使い続ける層がかなり存在するまま、四半世紀が経過した…という具合なのでした。

が、民政移管で風向きががらっと変わってきた昨今。
昨年11月にこの国を訪問したオバマ米大統領は、テイン・セイン大統領との会談では「ミャンマー」、アウンサンスーチー氏との会談では「ビルマ」を使い、話題になりました。

そんな今、国際社会はこの国をどう呼んでいるのか。
てきとーにちらちらと見た感じ、公式には、

ビルマ派

ミャンマー

  • 国連
  • 日本政府
  • ドイツ政府
  • オーストラリア政府
  • 中国政府
  • 韓国政府
  • 日本のマスメディア
  • New York Times
  • AP通信
  • CNN
  • Financial Times
  • The Economist:この雑誌が出している"Style Guide"という英語の書き方マニュアルには、「国家が新名称(あるいは旧称)で呼ばれたいという意思をはっきり示している場合には、その意思を尊重する」との方針が。ただ、分かりやすさを重視してか、実際の記事では初出時に旧称を併記していることも多い。
  • アムネスティ・インターナショナル(人権団体)

併用?

  • フランス政府:仏外務省の英語サイトではミャンマー。ただしそこに載っているプレスリリース等のタイトルは併記が多く、しかも本文中では大概ビルマ呼び。仏外務省の仏語サイトや、ヤンゴンの仏大使館のサイトでは完全にビルマ(Birmanie)呼びっぽい。(あ、そもそも「ミャンマー」に対応するフランス語ってあるのかしら…Google翻訳に聞いたらそのままMyanmarって出てきましたが…)

という具合のようです。

うーん、現状を眺めただけではさっぱり分かりませんが、アメリカも公式にはそのままビルマ呼びを続けているし、ここ2年ほどの民主化に伴いturn the tide...なんていう雰囲気はなさげ、なのですかね。
上記のBBCのブログにはAP通信が2006年に方針変更した旨紹介されているので、多分1989年からそれぞれ諸々逡巡あって現状があるのでしょうが。

ま、そのあたりの細かいことはおいおいまた見ていくとして、本ブログは(タイトルにもあるとおり)ミャンマー呼びで通したいと思います。
理由は…BBC方式ということにでもしておきましょう。